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学校法人北海道シュタイナー学園 いずみの学校 隔週発行の教職員だよりです!


by bridge-since2008

ミカエル祭

 
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 よく晴れた空のもと、無事にミカエル祭を終えることができたのが、もう2週間も前のこと。時間はあっという間です。次はいずみ祭ということで、学校全体が先へ先へと向かっています。

さて、去年のミカエル祭が終わってから、「1年後にまたあるぞ。4年生も一緒にいる中、どんな風にできるだろうか?」と漠然と思っていました。

 去年のお話は青い鏡を軸に、第三の目でドラゴンと闘う、自分で自分を知ることが一番の恐怖であり、その恐怖を超えて闘い勝つということをテーマにしました。今年はパンタレアという花を軸に、見える世界と見えない世界が繋がっていること、その中間に人間という存在があり、花を咲かせるためには人間の勇気と決断が必要であるということをテーマにしました。

 去年、今の4年生がドラゴンを本当に怖がる中で、真の勇気を出して闘った姿が嬉しくも好評だったこともあり、今年度の担任の意気込みは初めから熱いものがありました。「今年も成功させよう!」と、担任と子どもたちは心を一つにして練習が始まりました。4年生も去年と変わらずやる気満々で、担任としては安心しました。

 去年は5週間という長い時間をかけて練習に取り組みましたが、今年は4週間しかなかったことや、月曜日がお休みになることが多かったので、1週目の終わりには役の発表をしました。2週目は教室の中で台本を片手にセリフと動きの練習。3週目からは他学年との合同練習が始まり、台本なしで外での練習。4週目は引き続き合同練習と、衣装をつけての毎日がリハーサルでした。担任はいつも遠いところから演技を見つめていました。声が聞こえなければやり直し。それを繰り返すうちに、子どものエーテル体に「大きな声」が染みついたのか、1度雨で教室内での練習となったとき、あまりの声の大きさに「うるさ…」と感じてしまったほど。外で練習する前はこんな声じゃなかったのに…習慣とは、場所が変わっても動かぬものなのだ…と実感しました。

 1週間、1週間と金曜日を迎えるたびに、「迫ってきてますね。」とお互いの顔を見合わせて、高まる気持ちを共有しました。しかし、その高まりが強すぎたのか、第4週の子どもたちのパワー、テンションはすごいものがあり、毎日毎日子どもたちが帰ると何度もあくびが出ました。普段そんなにあくびをしないので、私にとっては珍しいことで、何かすごいことが起きていることを感じました。挙句の果て、金曜日には頭痛が起きたほどでした。そして迎えた本番の日。朝まだベルが鳴る前、「本番楽しみだね!」という声が廊下から聞こえました。教室に入ってきた子どもたちは、至って普通の様子。落ち着いて淡々としていましたが、きっと本番なのでそれまでの高まりが内に入り、心の中では大変なことになっていたことでしょう。「あとはもう大きな声だけ!今日の本番、頑張るぞ~!」「お~!!」と外へ出る前に教室で心を一つにしました。

 本番での様子は見ていただいた通りです。ドラゴンだけは当日のお楽しみだったので、舞台裏から4年生も乗り出していました。私も「大きいドラゴンなのは知っているけれど、どんな感じかな~?」と待っていると、現れたのはスーパーでかいドラゴンでした! 4年生の反応、「はあ?でかあ!!」と声も裏返りながらの様子が可笑しかったです。3年生はどんな気持ちでドラゴンを迎えたのでしょうか。5人共、大きいドラゴンに怯むことなく、勇敢に闘ったと思います。

 無事にパンタレアは咲いて、大きな通過儀礼は終わりました。劇が終わってから、子どもたちの大きな声についてお褒めの言葉をいただいています。子どもたちは練習通り、やりきりました。きっと今後の自信にも繋がっていくと思います。

 いま教室にはパンタレアの花が飾られています。いまは外に見ているパンタレア。大人になってから、自分の力で心の中に花を咲かせられる人になってほしいと願っています。(宇野)
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# by bridge-since2008 | 2013-10-11 09:17 | 教師より

5年生クラス

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「先生、わたしを動物に例えると何ですか?」「うーん…。カンガルー」
「わたしは?」「ヤギ」
「○○くんは?」「ハリネズミ」
 その子を思い浮かべてパッとひらめいた動物を答えているとクラスの子ども達は笑ったり感心したりで、大騒ぎです。結局、全員を動物に例えました。子ども達は、このことが大変面白かったらしく、その後も「全員を野菜に例えてください。」「全員をお菓子に例えてください。」といった要望が続きました。
 私は「○○ちゃんは?」と子ども達が名前を挙げるたびに即座に答えることを意識しました。深く考えるよりもインスピレーションを働かせている方が「言い得て妙!」といった答えが出てきて面白く、盛り上がりました。回を重ねているうちに子ども達から私が特訓を受けている様な気分になりました(頭のある部分をクリアにしておかないと次々と浮かばないのです)が、この例えればシリーズは一学期中しばらく続きました。子ども達は概念化することを求め、学んでいたようにも感じました。そして、同じ頃、子ども達は自分が大人からどう見えるのか、どのような子どもだと思われているのかを知りたがり、担任や専科の先生達に形を変えて何度も何度も質問を繰り返していました。時には順位付けも盛んでした。担任の呼びかけや注意から「先生、このクラスで一番うるさいのは誰ですか?」「忘れ物を一番するのは?」「面白いのは?」「その順番に名前を言ってください。」もう、それは何から何まで…。
 二学期になると子ども達はお互いのことをより盛んに言い合うようになりました。「○○ちゃんは、この頃だいぶん話すようになったね。3年生の時は静かだったのに。」「△△ちゃんは話し方がお母さんにそっくりだ。」「□□が先生に話しかける時、甘えた声になるよね。」
 時には攻撃的に思える表現も出てきますが、クラスの中で緩やかに着地することができるようになりました。例えば「◇◇は変だよ。何でそんなことするの?」「そうだよね。」「でも、そんなこと言ったらみんな変じゃない?」「うん。普通の人なんてこのクラスにはいないね。」一同爆笑、といった感じです。3年生後半から友達のことをあれこれと表現し、その口調は断定的できついものも多かったのですが、今は表現に少しずつユーモアが加わり、お互いの在り様を認め合ってきているようにも感じます。
 客観性がより育ち、周りと区別された自分についての意識が高まってきた5年生ですが、その自意識が過剰になりすぎずにいられることが素晴らしいなと思います。それは、短い劇を演じる子ども達の姿から感じました。
 一学期にコンロー先生から英語の本を渡された子ども達はその内容にすぐに夢中になりました。しばらくすると休み時間にそのお話をクラス全員で自主的に演じ始めました。自分達で役を割り振り、小道具を用意して楽しそうにしていましたが、熱が入るあまり子ども達だけでは、途中で上手くいかなくなりました。そこで、英語の授業に取り入れてもらい、集会で発表することにしました。皆が見ているその場所でも子ども達は演じることを楽しみました。ブタの役で鼻をブヒブヒ鳴らすことも真剣で、照れたり恥ずかしがることはありませんでした。どうすれば良いものになるかに皆が頭を働かせ、なりきることが子ども達自身にとって重要でした。
 変なことを言ったら笑われる(これは、人を笑わせることが何より!面白いことが一番だとする大阪育ちの担任の元では大丈夫でしょうか!?)、わからないことがあるとばかにされる(わからないことは、あって当たり前!だから学校に来ているのだ。)、そんな雰囲気があると子ども達は学ぶことを心から楽しめなくなります。
5年生のクラスは9名のうち、7名が転入生です。年度ごと学期ごとに変わっていくクラスの様子に子ども達は、攻撃的で落ち着かない時期もありました。けれど、子ども時代の黄金期と言われる5年生のこの時期を迎え、子ども達は活き活きと今を楽しみ、教師を心から尊敬、信頼しています。
 こういった時代を子ども自身がしっかりと堪能することができれば、その経験が大きな力となるでしょう。そして、これからやってくる怒涛の思春期に親や教師を壁として乗り越えていくことができ、輝かしい一個の人間になれるのだろうと思います。そこに対する信頼が私の中に満ちています。(石尾)
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# by bridge-since2008 | 2013-10-09 10:15 | 教師より

家づくりの授業

 
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 3・4年生たちは今、家作りをしています。4年生にとっては1年待ってもらった後の家作り。しかし、去年そのことに対して不満を言うこともなく、今年も3年生と一緒に黙々と取り組んでいます。
 4月以降、青空で出かける林の中で子ども達は、何度も木や葉っぱを使って「家作り」をしていました。偶然なのか、今年は家作りをするということが無意識にあるのか…どちらにしても彼らの衝動を見て、家を作ることがベストなタイミングなのだろうと感じていました。
どのような家を作ろうか? 担任がまず最初に悩むことです。3・4年生クラスはアイヌのチセを建てることにしました。(集会で発表予定です。8年生の子ども達には秘密にしておいてください。)子ども達が育っている場所が北海道であること、3・4年生でメインレッスンが別の時期に、アイヌの昔話を4年生に話していたことがあり、ときどき出てくるアイヌ語や、主食であるサケなど、アイヌの人たちの暮らしに触れていたこと、クラスの子どもの一人の名前がアイヌ語であることなどを思い巡らせながら、日本で最古の住居である竪穴住居に近い、原始的な作りであるチセを作ることに決めました。
 偶然か必然か、短期留学で来ていた男の子が、「お父さんがアイヌが大好きでアイヌの歌や踊りのことをよく知っている。」と話してきました。ほんの少しでも、彼の息子がチセ作りに参加できて良かったと思います。
実際の家作りを始める前の座学では、チセの家の中の構造について学びました。方角をベースに玄関や窓などを作る場所が決まっていたり、男女によって座る場所が違うことなどを知りました。その話の後で、チセを作ることを発表。「ヤッター!」と喜びの声があがり、私も一安心?
 さて、ついに始まった家作りでは、子ども達主体で作業が続けられています。みんなで作りながら、実は一人一人が自分のために建てている家。まどろんだ無意識の世界から、だんだんと今足を着けている世界の様子が見えてきて、その世界に暮らすための家を、その世界にある材料を使って作ろうとしています。家作りのプロセスは、より一層地に足を着けるためのプロセス。この通過儀礼を、しっかり見届けたいと思います。
家作りでお世話になっているのは、宮大工である小林慶吾先生です。今年は鍛冶屋や左官など職人さんの仕事見学や体験も並行して行っていますが、大工職人である方の近くで体験できることはラッキーなことかもしれません。
 完成は2学期初めの予定です。校庭にできるチセを楽しみにしていてください。(宇野)
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# by bridge-since2008 | 2013-07-12 09:55 | 教師より