よく晴れた空のもと、無事にミカエル祭を終えることができたのが、もう2週間も前のこと。時間はあっという間です。次はいずみ祭ということで、学校全体が先へ先へと向かっています。
さて、去年のミカエル祭が終わってから、「1年後にまたあるぞ。4年生も一緒にいる中、どんな風にできるだろうか?」と漠然と思っていました。
去年のお話は青い鏡を軸に、第三の目でドラゴンと闘う、自分で自分を知ることが一番の恐怖であり、その恐怖を超えて闘い勝つということをテーマにしました。今年はパンタレアという花を軸に、見える世界と見えない世界が繋がっていること、その中間に人間という存在があり、花を咲かせるためには人間の勇気と決断が必要であるということをテーマにしました。
去年、今の4年生がドラゴンを本当に怖がる中で、真の勇気を出して闘った姿が嬉しくも好評だったこともあり、今年度の担任の意気込みは初めから熱いものがありました。「今年も成功させよう!」と、担任と子どもたちは心を一つにして練習が始まりました。4年生も去年と変わらずやる気満々で、担任としては安心しました。
去年は5週間という長い時間をかけて練習に取り組みましたが、今年は4週間しかなかったことや、月曜日がお休みになることが多かったので、1週目の終わりには役の発表をしました。2週目は教室の中で台本を片手にセリフと動きの練習。3週目からは他学年との合同練習が始まり、台本なしで外での練習。4週目は引き続き合同練習と、衣装をつけての毎日がリハーサルでした。担任はいつも遠いところから演技を見つめていました。声が聞こえなければやり直し。それを繰り返すうちに、子どものエーテル体に「大きな声」が染みついたのか、1度雨で教室内での練習となったとき、あまりの声の大きさに「うるさ…」と感じてしまったほど。外で練習する前はこんな声じゃなかったのに…習慣とは、場所が変わっても動かぬものなのだ…と実感しました。
1週間、1週間と金曜日を迎えるたびに、「迫ってきてますね。」とお互いの顔を見合わせて、高まる気持ちを共有しました。しかし、その高まりが強すぎたのか、第4週の子どもたちのパワー、テンションはすごいものがあり、毎日毎日子どもたちが帰ると何度もあくびが出ました。普段そんなにあくびをしないので、私にとっては珍しいことで、何かすごいことが起きていることを感じました。挙句の果て、金曜日には頭痛が起きたほどでした。そして迎えた本番の日。朝まだベルが鳴る前、「本番楽しみだね!」という声が廊下から聞こえました。教室に入ってきた子どもたちは、至って普通の様子。落ち着いて淡々としていましたが、きっと本番なのでそれまでの高まりが内に入り、心の中では大変なことになっていたことでしょう。「あとはもう大きな声だけ!今日の本番、頑張るぞ~!」「お~!!」と外へ出る前に教室で心を一つにしました。
本番での様子は見ていただいた通りです。ドラゴンだけは当日のお楽しみだったので、舞台裏から4年生も乗り出していました。私も「大きいドラゴンなのは知っているけれど、どんな感じかな~?」と待っていると、現れたのはスーパーでかいドラゴンでした! 4年生の反応、「はあ?でかあ!!」と声も裏返りながらの様子が可笑しかったです。3年生はどんな気持ちでドラゴンを迎えたのでしょうか。5人共、大きいドラゴンに怯むことなく、勇敢に闘ったと思います。
無事にパンタレアは咲いて、大きな通過儀礼は終わりました。劇が終わってから、子どもたちの大きな声についてお褒めの言葉をいただいています。子どもたちは練習通り、やりきりました。きっと今後の自信にも繋がっていくと思います。
いま教室にはパンタレアの花が飾られています。いまは外に見ているパンタレア。大人になってから、自分の力で心の中に花を咲かせられる人になってほしいと願っています。(宇野)
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by bridge-since2008
| 2013-10-11 09:17
| 教師より