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学校法人北海道シュタイナー学園 いずみの学校 隔週発行の教職員だよりです!


by bridge-since2008

5,6年生、8年生、9.10.11年生の音楽の授業から

 
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5,6年生の授業は様々な音色を聴くことから始まりました。1回目は木や皮でできた打楽器の音。ゲームをしながら即興でリズムを打ちました。2回目はトーンチャイムを使って金属の響きを聴きました。この時はペンタトニックの5つの音を用いて、音を渡す相手の名前を呼びながら「音のキャッチボール」をしたり、即興で響きを作ったりしました。その後はリズムのみで構成されている曲とことばを対応させたり、打楽器に置き換えてグループに分かれて演奏したりしました。これらの活動を通して、様々な音色や音と言葉のつながりを感じてほしいと思っています。既に器楽合奏を経験している6年生とっては、戸惑いがあったかと思います。
 今は子どもたちの様子を見て、胸のあたりに響く(感じる)曲、二部合唱「地球の子ども」(まど・みちお作詞、山本直純作曲)を歌い、「春の日に花と輝く」(イギリス民謡、若菜直美編曲)を笛で吹いています。また、最近歌い始めた「ドナドナ」は短調の響きが新鮮だったのか、音楽室に入るなり歌い始めています。とても素直で伸びやかな声が出ていますので、大切に育てたいと思います。
 このクラスでは毎回、思いもよらない受け答えがあり、私に新鮮な課題を与えてくれます。時々、上級生が授業から脱線(発展?)する中、下級生は一貫して生真面目な態度で授業に臨んでいます。

 8年生は「怪獣のバラード」というテンポの速い、ノリのよい合唱曲に取り組んでいます。歌詞の状況を想像してとても楽しく歌っているのですが、はじめのうち、彼らの歌はひとつの音の中で強弱の揺れが多かったり、フレーズの最後が伸びがちだったりで、なかなか曲のスタイルに近づきませんでした。そこで、1音をまっすぐにのばして歌う練習のために「さくら さくら」(若松正司がハンガリーの合唱団のために編曲したもの)、フレーズの上り下がりに伴って強弱が変化する「赤とんぼ」、ことばと拍感を一致させるために「光が」(工藤直子作詞、松下耕作曲)を選んで、楽譜の有り様から音楽の仕組みを読み取る練習をしています。
 男子はまだ声が安定していないせいか、試行錯誤している様子が伺えます。歌った後に自分の課題を聴いても全員が「よくわからない」と言います。しかし、確実に歌うことに慣れて音が安定してきています。女子は初めての授業の時から高い音も楽々とこなし、私はこの学校の子どもたちの高音の伸びに驚いたものでした。まるで「天井が無い」ように突き抜ける声なのです。

 高等部のコーラスは、月曜日で代休が多いことと1日アウトドアが各クラスであるため、全員が揃う授業は6月に入っても3回きりでした。最初の授業で1学期に歌う曲を紹介したにも関わらず、三歩進んで二歩下がるような状況でした。アメリカからの留学生アレックス君がいるうちに、なんとか「JOYFUL JOYFUL」だけでも全体を通して演奏したいと思って3回分の補講を設定したところ、小中集会で発表する機会を得て、6/3(水)から15分間の朝練を開始しました。初めは彼ら、音取りに「耐えられない!日本語の歌が歌いたい!」、「2週間で出来るわけないよー!」などと言っていました(そういえばこのクラス、あまりコーラスの経験が無い?)。しかし、中には「おもしろそう」と言う声もあり、さらに、アレックスがソロとラップをやってくれるということで次第にその気になっていったのでした。そんな彼らに、私は2週間分のおおまかなスケジュールを作って渡しました。
 1週目はパート練習と踊りを作っていくグループに分かれての活動で終わりました。アレックスのソロは、休み時間に練習しました。それぞれバラバラの練習で心もとない感じでしたが、2週目に入って初めて全体を通して歌った時から、彼らはどんどん自主的に取り組み出しました。その姿は本当に素晴らしい!のです。そして私は、その姿を見ているのがおもしろくてたまらないのです。
 
 とにかく、子どもたちが素晴らしい。今、彼らと向き合うことが本当に私の糧となっています。日頃、担任の先生はじめこの学校に関わる大人たちが育んできたものの上にこの音楽の授業が成り立っていると実感し、感謝しています。
                            若菜 直美
by bridge-since2008 | 2009-07-23 10:30